職場や学校、日常生活の中で「無力感」を感じる事はありませんか?
心配性わくわくも過去の辛かった時期に、自分に自信がなくなり、
「何もできない状態」になった経験があります。
「やりたいことが見つからなかった」
「転職活動で何回も失敗していた」
「彼女との結婚を控えていた」
当時は色々なことが重なり、自分を見失い、挫折し、とても焦っていました。
「なんとかしなきゃ…!」
という気持ちがある反面、何にも希望が持てず、次第にやる気が無くなる…
という精神状態になった経験は、今思い出しても恐ろしいものです。
しかしなぜそんな「無気力感」に襲われてしまったのでしょうか?
※今回の記事は心配性わくわく著作の電子書籍の内容を、一部変更してブログ記事としても公開しています↓↓
ストレスから生まれる「学習性無力感」
長い期間「ストレス」を回避できない環境に置かれた人や動物が、その状況から、
「逃れようとする努力すら行わなくなってしまう状態」
この恐ろしい心理現象を「学習性無力感」と呼びます。
この心理状態になってしまうと、具体的にはこんな症状が出ます。
【無気力】…周囲の環境に対して、自分から抜け出そうとしなくなって諦める
【自信喪失】…自分に自信をもつために必要な「成功体験」の機会を逃す
【情緒不安定】…溜め込んだストレスで「イライラする」「泣き出す」などの状態になる
どうでしょう、あなたにも少し心当たりがありませんか?
この「学習性無力感」というのは、アメリカの心理学者セリグマン氏が提唱した心理です。
彼が行ったある実験は、この「無力感に陥ってしまう心理」を科学的に裏付けるものでした。
驚愕の実験結果
心理学者セリグマン氏が行った「学習性無力感」の実験は以下のような内容です。
まず実験対象として、「2頭の犬」を用意する。
そして「ボタンを押すと電気ショックが止められる装置のついた場所」
に犬を1頭を入れる(以下グループA)
そしてまたもう1頭の犬を、
「何をやっても電気ショックを止めることのできない場所」
に入れる(以下グループB)
この実験は、この「異なる環境に置かれた犬たち」が、
電気ショックを与えられたらどんな行動をするか?
ということを観察するためものでした。
犬たちが少しかわいそうですが、このセリグマン氏らの実験の結果、
グループAの犬(ボタンで止められる方)は、ボタンを押すと電気ショックを回避できることを学習していて、
「自発的にボタンを押すようになった」ということがわかりました。
しかしながら、グループBの犬(止める手段がない方)は何をやってもこの状況を回避できないため、ついには何も行動しなくなり、
「抵抗することなく電気ショックを受け続けるようになった」
という結果になりました。
ここまでは正直予想通りの展開ですよね?
しかしこの実験には興味深い「続き」があります。
次はこの実験を行った同じグループA、B両方の犬たちに、
今度はどちらも、「電気ショックを回避できる部屋」に移動して同じ実験を続けました。
するとグループAの犬は前回の実験同様、「電気ショックを止めるための回避行動」を自発的に行ったのに対して、
グループBの犬は「電気ショックを止めることができる環境」に変わっているのに、
「回避行動をしよう」とはならなかったのです!
「学習性無力感」の怖いところは、ストレスから逃げられない状況になると、だんだんと自分の意思がなくなり、
「他人の選択」や「自身の過去の選択」に縛られてしまうことです。
そして自分自身で「選ぶこと」を忘れてしまい、
「やってもやらなくても変わらないんだ」と「学習」してしまうことでもあります。
ちなみにこれは犬や人間だけでなく、サカナ、ネズミ、ネコ、サルというような、
「生き物全般に通用する」ということも実験で分かっています。
理想と現実のギャップに苦しめられる
この「学習性無力感」の心理は心配性わくわくの場合、
「彼女と結婚して幸せにしてあげたい!」という『自分の中で決めた気持ち(理想)』と、
「何度転職しても上手くいかない!」という『現在の状況(現実)』とのギャップに焦り、
抜け出すことのできない、「強烈なストレス』を一人で抱えてしまいました。
そしてその結果、自信を失ってしまい、悲観的になっていたのです。
この「負の連鎖」に一回ハマッてしまうと、
「自分はなんてダメなやつなんだ…」
「就職出来ないなんて情けない…」
「彼女を幸せにしてあげられないなんて…」
というように自分はダメだと学習して、責め続けしまい、
最終的に行き着くのが「何をしてもダメだ…」という絶望感です。
しかし正直なところ、当時自分の妻は全く結婚を押し付けてなんていませんでした。
就職もただ、「とりあえず正社員になりたい」という条件だけで選んでいました。
つまり「自分の中で決めたこと」に、がんじがらめに縛られて、焦っていたことで、
『視野が極端に狭くなっていた』だけだったのです。
この「学習性無力感」に陥りやすい人は、
・周囲の期待に答えようとする『八方美人タイプ』
・自分よりも相手を優先してしまう『自己犠牲タイプ』
・ダメな自分を見せられない『完璧主義者タイプ』
・ネガティブで自分に自己肯定感の低い『心配性タイプ』
というような人たちに当てはまります。
特に気配りができて、優しい人ほど該当しやすいので、注意が必要です。
そんな時はこちらの記事にも書いたように、一度立ち止まることをおススメします(*^^)v
ちなみに今回のお話は心配性わくわく初の電子書籍、『心配性がワクワクしてきた』の中から抜粋してお伝えしています(*^^)v
もし興味がある心配性の方はこちらからもどうぞ↓↓